飲食業界では、タブレットやスマートフォンを使った注文方法が、大きな広がりを見せています。
リクルートが2024年に実施した調査によれば、テーブルトップオーダーやセルフオーダーなど、お客様自身が主体的に操作する注文方法について、今後利用したいと答えた人の割合は以下のようになっています。
- テーブルトップオーダー:72.4%
- セルフオーダー:47.6%
いずれも2021年の調査結果(70.1%、42.7%)を上回っており、お客様がデジタル機器を使った注文を前向きに捉えていることがわかります。
参考:外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査|株式会社リクルート
スタッフが直接注文を取らない仕組みは、飲食店にとっても、人手不足の解消や回転率向上といったメリットがあるため、運営面の課題を改善する手段となっています。
しかし、タブレットやスマートフォンでの注文には後ろ向きな声も少なくありません。特に、セルフオーダーの中でも、お客様自身のスマートフォンで注文を行うQRオーダーシステムは、利用者側の負担感や運用上のハードルが生まれやすい側面があります。
対策をせずに導入をすると、トラブルや売上減少につながる可能性があるため、運用で気をつけたいポイントを事前に押さえておきましょう。
飲食店のQRコード注文が嫌がられる理由とは?

お客様がQRコード注文を敬遠するのは、主に以下の7つの理由があるためです。
- ギガ(データ容量)を消費したくない
- 操作の手間が面倒に感じられる
- 意図しない注文やダブリ注文の発生
- 注文をする人としない人で負担に差が出る
- スマホのバッテリー残量が不安
- 通信環境が悪いと注文できずストレスになる
- LINE登録やアプリ連携を求められるのが不安
それぞれ詳しく解説していきます。
ギガ(データ容量)を消費したくない
QRコード注文でよく聞かれる不満のひとつが、データ通信量の消費です。
QRコード注文のメニュー画面では、表示される画像が多く、読み込みのたびにデータ通信が発生します。格安スマホの利用者では、ひと月3〜5GBのプランを契約している人も多く、データ量を消費することが、思った以上に負担となります。
そのため、注文に自分の通信量を使うこと自体が嫌だと感じてしまうお客様は少なくありません。
操作の手間が面倒に感じられる
QRコード注文では、スマホを開き、メニューを探し、数量を選んで確定するという一連の手順が必要になります。
外食での注文は、できれば余計な操作をせずに済ませたいものです。しかし、QRコード注文では、注文する際にこの一連の作業が必要になるため、「注文で操作するのがとにかく面倒」という感覚を持つ人がいます。
もともと声をかけるだけで済んだはずの注文が、わざわざスマホ操作を必要とするだけで、不便に感じてしまうのです。
こうした負担が、QRコード注文を「やめてほしい」と感じる大きな理由のひとつになっています。

意図しない注文やダブリ注文の発生
QRコード注文では、操作ミスによる誤注文や、同じ卓にいる複数の人が同時に注文してしまうことで、意図しない重複注文が起こることがあります。
ボタンを押したつもりがなかったり、画面の戻る操作に気づかなかったりと、小さな操作のズレがそのまま注文に反映されてしまうケースも少なくありません。
また、グループ利用では、それぞれのスマホでメニューを見ているうちに「誰かが頼んだと思っていた」「お互いに同じものを注文してしまった」といった状況が発生しやすくなります。特に、注文履歴が共有されないシステムでは、卓内での情報共有が難しく、重複注文が増える原因になります。
注文をする人としない人で負担に差が出る
QRコード注文では、同じ卓にいる人の中で「誰が注文をするか」という役割が自然と決まってしまい、負担が一人に偏りやすくなります。
代表して注文をする人は、メニューを探したり数量を選んだりと、食事とは別の作業に追われるため、ゆっくり過ごす時間が減ってしまいます。
さらに、注文する人だけが自分のスマホを使うため、通信量(ギガ)を消費するのもその人だけです。格安スマホの小容量プランを使っている場合、このギガ消費は心理的な負担になりやすく、「なんで自分だけ使わないといけないのか」という不公平感につながります。
グループでの食事は本来、全員が同じように楽しめる時間であるべきですが、QRコード注文ではこのように役割が偏ることで、ストレスを感じる人が生まれてしまいます。
スマホのバッテリー残量が不安
QRコード注文では、スマートフォンが使えなければ基本的に注文ができません。
そのため、バッテリー残量が少ないと、注文のために画面を開くこと自体がためらわれてしまいます。
例えば、次のような状況では「これ以上バッテリーを減らしたくない」と感じる方が多くなります。
- 外出先で充電できる場所が見つからない
- すでに残量が10%以下になっている
- このあと連絡や支払いでスマホを使う予定がある
特に、連絡・移動・決済などをすべてスマホ1台でまかなう人にとっては、万が一のために電池を残しておきたいという思いが強く、QRコード注文を避けたいと感じる理由につながります。
通信環境が悪いと注文できずストレスになる
QRコード注文は、通信環境が安定していない場所では利用しづらくなります。
特に、地下の飲食店や壁に囲まれた座席、混雑する時間帯などは電波状況が不安定になりやすく、画面が途中で止まる、読み込みが進まないといったことが起こりやすくなります。
通信が遅い状態が続けば、お客様は思うように操作できず、ストレスを感じる場面も出てきます。本来は便利さを高めるはずのQRコード注文も、通信環境が整っていないだけで使い勝手が大きく損なわれてしまうことがあります。
LINE登録やアプリ連携を求められるのが不安
QRコード注文に対して抵抗を感じる理由として、注文の前にLINE登録やアプリ連携を求められる点を挙げる人が多く見られます。
実際に、リクルートが実施した調査では、外食店でセルフオーダーをしたくない理由として「自分のスマートフォンに余計なアプリを入れたくないから」と答えた人が25.1%と最も多い結果が報告されています。
参考:外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査|株式会社リクルート
こうした背景を踏まえると、登録を前提にしないシンプルな注文方法を用意することが、利用しやすさの向上につながります。
QRコード注文を快適に使ってもらうための対策

QRコード注文を導入したあとも、お客様にストレスなく利用してもらうためには、いくつかの工夫が欠かせません。店舗では以下のような対策が考えられます。
- 従来の注文方法を併用して段階的に切り替える
- Wi-Fiを整備して通信トラブルを防ぐ
- 直感的に操作できるシステムを選定する
- QRコードを読み取ってすぐ注文できるシステムを選定する
- テーブルごとの注文履歴を全員で確認できるようにする
- 困ったときにすぐスタッフを呼べる仕組みをつくる
それぞれの対策について解説します。
従来の注文方法を併用して段階的に切り替える
QRコード注文を導入する際は、紙のメニューやスタッフによる口頭注文など、これまでの注文方法も残しながら、段階的に切り替えていく方法が適しています。
紙のメニューが手元にあったり、必要なときにはスタッフに直接注文できたりするだけで、お客様はストレスを感じにくくなります。特に、スマートフォンの操作が苦手な人や、注文のたびに画面を見ることを負担に感じる人にとっては、選択肢があるということ自体が安心につながります。
まずはQRコード注文を選べる方式として併用し、利用状況を見ながら少しずつ移行するステップを踏むのが現実的です。
Wi-Fiを整備して通信トラブルを防ぐ
QRコード注文では、メニューの読み込みが遅かったり、画面が途中で止まってしまったりすると、お客様は注文前からストレスを感じてしまいます。
そのため、店内では安定したWi-Fi環境を整えておくことで、通信遅延による不満を減らし、QRコード注文をよりスムーズに利用してもらえるようになります。
また、Wi-FiのSSIDやパスワードを見やすい場所に掲示しておくことで、お客様は迷わず接続でき、通信量を気にする必要もありません。必要に応じてスタッフが案内できる体制をつくっておくと、さらに安心して利用してもらえます。

直感的に操作できるシステムを選定する
QRコード注文を導入する際は、初めての方でも迷わず使えるシステムを選ぶことが大切です。
画面を開いたときに「どこを押せば注文できるのか」「次に何をすればよいのか」が一目でわかる設計であれば、スマートフォン操作に不慣れな方でも安心して利用できます。
そのためには、カテゴリ分けやボタン配置がシンプルであること、文字サイズやボタンのタップ範囲が十分に大きいことなど、基本的なUIの作り込みが重要になります。写真やアイコンの使い方も含めて、「説明を読まなくても感覚的に操作できるか」を基準にチェックするとよいでしょう。
また、注文確定前に内容と金額をまとめて確認できる画面や、戻る・キャンセルの操作がわかりやすいかどうかも、誤操作を防ぐうえで欠かせないポイントです。
QRコードを読み取ってすぐ注文できるシステムを選定する
QRコード注文は、読み取ったあとすぐにメニューが表示されることが理想です。
アプリのダウンロードや会員登録が必要になると、その時点で操作の負担が大きくなり、利用をためらう人も少なくありません。
読み取り後の画面がすぐに開き、必要な情報にすぐアクセスできるシステムであれば、注文の流れが途切れず、初めての人でもスムーズに利用できます。店舗側も導入前に動作を確認しておくと、使いやすさを実感しやすくなります。
テーブルごとの注文履歴を全員で確認できるようにする
QRコード注文を使う際は、同じテーブルのメンバーが注文履歴を共有できると安心につながります。誰が何を頼んだのかが分かるだけで、重複した注文や抜け漏れを防ぎやすくなり、席でのやり取りがスムーズになります。
履歴が確認できる仕組みがあると、お客様同士でのちょっとした気遣いがしやすくなり、店舗側も注文状況を把握しやすくなります。
グループでの利用が多いお店ほど、こうした共有機能があるとトラブルが起きにくくなり、サービス全体の流れが整いやすくなります。
困ったときにすぐスタッフを呼べる仕組みをつくる
QRコード注文を使うとき、操作に迷ったり、画面が進まなかったりすることがあります。
そんなときに、すぐスタッフへ声をかけられる仕組みがあると、お客様は安心して利用できます。
席に呼び出しボタンを用意したり、注文画面に「スタッフを呼ぶ」ボタンを分かりやすく表示したりすると、必要なときに迷わずサポートを依頼できます。スタッフ側も、よくあるつまずきポイントを理解しておくと、落ち着いて案内でき、お客様も安心して操作を続けられます。
困ったときにすぐ助けてもらえる環境があるだけで、QRコード注文の使いやすさは大きく向上します。
QRコード注文を安心して運用するならスマセル

QRコード注文を導入する際は、お客様が迷わず使えることと、店舗が無理なく運用できることが大切です。
スマセルは、追加のアプリ登録も不要で、読み取ってすぐに利用できるため、初めての方でも扱いやすくなっています。また、海外からのお客様には、画面上のボタンを押すだけで言語を切り替えられるため、説明の負担が減り、スムーズに案内ができます。
大人数での利用が多い場面では、割り勘機能を使うことで会計がしやすくなり、グループでの利用も安心です。
注文内容の管理もしやすいため、店舗側の運営も安定しやすい点が特徴です。
スマセルの特徴は以下のとおりです。
- 専用アプリ不要
- 多言語対応
- 割り勘機能
- 注文履歴の共有
- 写真付きメニュー
- おかわり注文機能
- スマホで完結
- LINE連携で集客UP
- 顧客管理機能
- 売上分析機能
- 専用端末不要
まとめ
QRコード注文は、使い方や導入方法によって便利さが大きく変わります。
本記事では、お客様が不便に感じやすいポイントと、その課題を和らげるための工夫について整理してきました。
小さな工夫を積み重ねることで利用しやすさは着実に高まります。
店舗側が操作のしやすさやストレスの少なさを重視し、使い手の立場に寄り添って運用を整えていくことが、安心して利用していただくことができます。シンプルで分かりやすいシステムを選び、スタッフが落ち着いてサポートできる環境を整えることで、QRコード注文は店舗運営の力になるはずです。
お客様一人ひとりが無理なく利用できる環境をつくりながら、店舗にとっても負担の少ない方法を選ぶことで、より快適なサービスへとつながっていきます。
