モバイルオーダーシステムは、店舗スタッフの負担を軽減し、業務を効率化するために多くの飲食店で導入が進んでいます。
テイクアウト・デリバリー型や店内利用型、ハイブリッド型など、さまざまな種類があり、小規模な飲食店でも導入しやすいサービスが増えています。適切なシステムを選ぶことで、注文処理がスムーズになり、売上の向上も期待できます。
この記事では、モバイルオーダーシステムの概要や、小規模飲食店に適したシステムの種類や導入のメリット・デメリットを詳しく紹介します。
モバイルオーダーシステムとは?
モバイルオーダーシステムは、お客様がスマートフォンやタブレットを使い、スタッフを介さずに注文や決済ができるシステムです。
テイクアウトやデリバリー用、店内での注文用、両方に対応できるタイプなど、店舗のスタイルに合わせて選べるのも特徴です。
大手飲食店などで導入が進んでいる
モバイルオーダーシステムは、マクドナルドやスターバックスをはじめ、居酒屋チェーンの鳥貴族や磯丸水産、回転寿司の魚べいや、はま寿司など、さまざまな飲食店で導入が進んでいます。
スマホやタブレットで注文し、店頭でスムーズに商品を受け取れるため、レジの混雑を減らし、待ち時間の短縮につながるのが大きなメリットです。
株式会社ぐるなびの調査(2024年)によると、「モバイルオーダーを利用したことがある」と答えた人は62.1%にのぼりました。2022年の41.4%から約20%増えており、ここ数年で利用者が大きく増えています。
参考:モバイルオーダーに関する調査レポート|株式会社ぐるなび
また、感染症対策としてスタッフとの接触を減らしたいというニーズも高まったことで、モバイルオーダーの導入がさらに加速しました。
小規模な飲食店向けのサービスも増えている
モバイルオーダーシステムは、もともと大手チェーン向けに導入が進んでいましたが、最近では個人経営のカフェや小さなレストランでも利用する店舗が増えています。
背景にあるのが、クラウド型システムの登場です。モバイルオーダーシステムというと、以前は導入コストが高く、小規模な店舗では手を出しにくいものでした。
しかし、クラウド型のシステムであれば、システムの構築が不要で、手間やコストが抑えられるので、小規模な店舗でも導入しやすくなります。
また、スマホやタブレットを活用できるシステムが多くなり、高額な専用端末を用意する必要がなくなったことも、導入が進んだ理由のひとつです。
例えば、「スマセル」などのシステムは、小規模な飲食店向けに特化しており、低コストで簡単に導入できるのが特徴です。注文をスマホで受け付けるだけでなく、POSレジと連携することで会計処理もスムーズになり、スタッフの負担を減らせます。
モバイルオーダーシステムの種類
モバイルオーダーシステムには以下の3種類があります。
- テイクアウト/デリバリー型
- 店内利用型
- ハイブリッド型
それぞれ詳しく解説します。
テイクアウト/デリバリー型
テイクアウト/デリバリー型は、家や会社などからスマホで注文できるモバイルオーダーです。
テイクアウト専門店やスターバックスコーヒー、マクドナルドなどのファーストフード店などでよく使われていて、好きなタイミングで注文できるのがポイントです。
また、注文するメニュー以外にも、利用する店舗も自由に選べます。
お客様は、受け取り時間を指定できるので、店舗の到着時間に合わせて注文をすれば、待ち時間なしで商品を受け取れます。 店舗側も、事前に注文内容がわかるので、余裕をもって準備できるのがメリットです。
最近は、ファストフードやカフェだけでなく、個人経営の弁当屋やレストランでも導入が進んでいて、事前決済と組み合わせている店舗も増えています。
店内利用型
店内利用型のモバイルオーダーシステムは、来店したお客様が注文する際に利用するシステムです。
これまでは、スタッフがテーブルを回って注文を聞くのが一般的でしたが、店内利用型のモバイルオーダーシステムでは、お客様が自分のスマホやタブレットから直接注文できます。
お客様は、注文のたびにスタッフを呼ぶ必要がなく、好きなタイミングで注文が可能です。店舗側も、スタッフが注文を取りに行く手間が減るので、人手不足の解消や業務の効率化につながります。
居酒屋や焼肉店、回転寿司チェーンなどで多く取り入れられていて、タブレットを使った注文システムが一般的になっています。
最近では、各テーブルのQRコードを読み取って、お客様のスマホから直接注文できるモバイルオーダーシステムを導入する店舗も増えています。
ハイブリッド型
ハイブリッド型のモバイルオーダーシステムは、テイクアウト/デリバリーと店内利用の両方に対応できるタイプです。
カフェやレストラン、居酒屋など幅広い業態で導入が進んでおり、柔軟に使えるのが特徴です。
例えば、すかいらーくグループの「ガスト」や「ジョナサン」では、テイクアウト注文と店内注文の両方に対応するモバイルオーダーシステムを導入しています。これにより、お客様の利便性が向上し、店舗の業務効率もアップします。
特に、ピークタイムに店内が混雑している場合でも、テイクアウト注文を別の流れで処理できるため、オペレーションの負担を分散できるのがメリットです。
飲食店がモバイルオーダーシステムを導入する5つのメリット
飲食店がモバイルオーダーシステムを導入するメリットは以下の5つです。
- 注文処理の自動化による人手不足の緩和
- 追加注文の促進による客単価アップと売上増加
- 多言語対応による訪日外国人へのサービス向上と客層拡大
- 注文ミスによる食品廃棄ロスやクレームの軽減
- テイクアウト・デリバリー需要の対応による新規収益源の獲得
それぞれ詳しく解説します。
注文処理の自動化による人手不足の緩和
モバイルオーダーシステムを導入すると、スタッフが注文を受ける手間が大幅に減り、人手不足の解消につながります。
スタッフが注文を聞いて入力するには1件あたり約3分かかるといわれています。しかし、モバイルオーダーシステムであれば、お客様自身がスマホから直接注文できるため、時間をゼロにできます。
経済産業省の調査では、モバイルオーダーの導入によって、注文を受ける業務時間が80~90%削減されると報告されています。
参考:キャッシュレス決済中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会|経済産業省
これにより、スタッフは配膳や接客といった他の業務に集中できるようになり、少ない人数でもスムーズな店舗運営が可能になります。
また、忙しい時間帯でもスタッフが注文を取りに回る必要がないため、ピーク時の負担が減り、働きやすい環境をつくれます。
追加注文の促進による客単価アップと売上増加
モバイルオーダーシステムを導入すると、お客様は注文の待ち時間が減り、追加注文がしやすくなるため、客単価や売上の向上につながります。
対面での注文では、スタッフを呼ぶのが面倒だったり、混雑していて声をかけづらかったりすることで、追加注文を諦めることもありました。 しかし、モバイルオーダーを導入することで、お客様が好きなタイミングで手軽に注文できるようになり、注文数の増加が期待できます。
経済産業省の調査では、モバイルオーダーの導入によって決済件数が5%増加し、週あたりの会計件数が230件から240件に増加したことが報告されています。さらに、客単価も20%上昇し、1,000円から2,000円に増加したというデータもあり、売上アップに貢献していることがわかります。
参考:キャッシュレス決済中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会|経済産業省
また、店舗側が「おすすめメニューの表示」や「追加注文のポップアップ表示」などを活用することで、さらに注文数を伸ばすことが可能です。特に、居酒屋や焼肉店では飲み物やサイドメニューの注文が増える傾向があり、売上アップの効果が期待できます。
多言語対応による訪日外国人へのサービス向上と客層拡大
訪日観光客の増加に伴い、多言語対応のモバイルオーダーシステムの重要性が高まっています。特に、日本語が話せない訪日観光客にとっては、飲食店での注文時に言葉の壁を感じることが多く、食事を楽しむための工夫が求められています。
観光庁の調査によると、訪日外国人が「コミュニケーションに困った」と感じた施設の中で、「飲食店」が61%と最も高い割合を占めています。
参考:訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート調査|観光庁
この結果からも、外国人観光客にとって、メニューの注文時に言葉が通じないことが大きなハードルになっていることがわかります。
モバイルオーダーシステムを導入すれば、スマホやタブレットの画面上で英語や中国語、韓国語など多言語に対応したメニューに切り替えられるため、スタッフと直接会話をせずに注文ができます。
訪日観光客が安心して利用できる環境を整えることで、新たな顧客層の獲得にもつながります。
さらに、多言語対応のモバイルオーダーシステムでは、食材の詳細やアレルギー情報も表示が可能です。そのため、訪日観光客だけでなく、食べ物の制限がある方も安心して注文できます。
観光地や繁華街では、訪日客の受け入れを強化する動きが加速しています。モバイルオーダーシステムを活用することで、外国人観光客が安心して利用できる飲食店として選ばれやすくなるでしょう。
注文ミスによる食品廃棄ロスやクレームの軽減
モバイルオーダーシステムを導入すると、注文ミスが減り、食品廃棄ロスやクレームの発生を抑えられます。
スタッフが口頭で注文を受ける場合、聞き間違いや書き間違いによって異なる料理が提供されることが少なくありません。 注文ミスは、お客様の不満につながるだけでなく、作り直しによる食材の廃棄やコスト増加にもなります。
モバイルオーダーシステムなら、お客様自身がスマホやタブレットで注文内容を確認しながら操作するため、記入ミスや聞き間違いの発生を減らせます。
また、飲食店では注文ミスによるクレーム対応に時間を取られることも多いですが、モバイルオーダーシステムの導入によって、クレームやトラブルを減らすことが可能です。
特に、注文ミスは、忙しい時間帯に起こりやすいため、システム化することでスタッフの負担を軽減し、よりスムーズな店舗運営が可能になります。
テイクアウト・デリバリー需要の対応による新規収益源の獲得
テイクアウトやデリバリーの利用者は現在増加傾向にあり、飲食店にとって重要な収益源となっています。モバイルオーダーシステムを活用すれば、お客様がスマホから簡単に注文できるため、テイクアウトやデリバリーの売上拡大につながります。
モバイルオーダーシステムを導入するデメリット
飲食店がモバイルオーダーを導入する際のデメリットを4つ紹介します。
- 導入・運用コストの負担
- デジタル機器に不慣れな人が利用しづらい
- セキュリティや個人情報に関するリスク
- システム不具合によるトラブル
それぞれ詳しく解説します。
導入・運用コストの負担
モバイルオーダーシステムの導入には、システムの利用料金だけでなく、専用端末やプリンターなどの機器の購入費用がかかります。
導入するシステムの種類によって費用は異なりますが、例えば、タブレット型なら数万〜数十万円/1台、券売機型なら50〜250万円かかることがあります。
さらに、導入後も毎月の保守費用(1万〜75万円程度)、ソフトウェアのアップデート、インターネット回線の維持費などが発生するため、初期費用だけでなくランニングコストも考慮する必要があります。
しかし、モバイルオーダーシステムを導入すれば、注文受付や会計業務の負担が減り、少ない人数でも店舗を回せるようになるため、人件費の削減につながります。
また、業務の効率化によって提供スピードが向上し、顧客満足度が上がることで、リピーターの増加や売上アップにもつながる可能性があります。
短期的にはコストがかかりますが、長期的に見れば、業務効率化や売上向上の効果で導入費用以上の効果が期待できると言えるでしょう。
デジタル機器に不慣れな人が利用しづらい
モバイルオーダーシステムは便利な反面、スマホやタブレットの操作に慣れていない人にとってはハードルが高い場合があります。
特に高齢の方は、QRコードを読み取る方法がわからなかったり、タブレットなどの端末の使い方に戸惑ったりすることがあり、スムーズに注文できないケースもあります。
株式会社リクルートの外食市場調査によると、セルフオーダーの利用経験率は57.1%に達していますが、世代間で差があり、20代女性では80.9%と高い一方、60代女性では37.3%にとどまっています。
参考:外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査|株式会社リクルート
そのため、モバイルオーダーを導入する際は、スマホに不慣れな人向けにスタッフがサポートできる体制を整えたり、紙のメニューや対面注文の選択肢を残したりする工夫が必要です。
セキュリティや個人情報に関するリスク
モバイルオーダーはネットワークを利用するため、情報漏えいなどのセキュリティリスクにも考慮する必要があります。
信頼できる企業が運営するシステムであれば、厳重なセキュリティ対策が施されており、情報漏洩のリスクは低いですが、それでもお客様の不安を完全にゼロにすることは難しいのが現状です。
特に、クレジットカード情報などの個人情報を入力する際に不安を感じるお客様も多く、システムの安全性をしっかり伝えることが大切です。 実際、モバイルオーダーを導入している企業は、データの暗号化や不正アクセス防止の対策を強化していますが、お客様にはその情報が十分に伝わらず、クレジットカード決済を避けられるケースも少なくありません。
そのため、導入時にはクレジットカード決済に抵抗があるお客様向けに、QRコード決済や電子マネーなど、複数の支払い方法を用意することで、より安心して利用してもらいやすくなります。
システム不具合によるトラブル
モバイルオーダーシステムは、システムの不具合によるトラブルが発生する可能性があります。
例えば、通信環境が悪いと注文がうまく送信されない場合や、決済が完了しないといった問題が起こることもあります。 また、サーバーの障害によって、一時的にシステムが使えなくなるリスクも考えられます。
トラブルを防ぐためには、安定したネットワーク環境を整えることが大切です。
特にWi-Fiを利用する店舗では、通信が途切れないように回線の強化やバックアップ手段を用意するのも有効です。
また、万が一システムが停止した場合に備えて、注文ができない場合にスタッフがすぐに対応できる体制を整えることや紙のメニューを用意しておくなど、代替手段を準備しておけば、混乱を防ぐことができます。
飲食店の課題を解決するモバイルオーダーシステム「スマセル」
飲食店向けのモバイルオーダーシステム 『スマセル』 について解説します。
『スマセル』は、小規模な飲食店でも導入しやすいQRコード注文システムです。
注文から会計までを一元化できるため、業務の効率化が可能です。
そのため、「忙しい時間帯でも少人数でスムーズに店舗を回したい」「スタッフの負担を減らして、もっと効率よく営業したい」と考えている店舗にとって、大きな助けになります。
注文業務の効率化で人手不足を軽減
『スマセル』を導入すると、お客様が発行されたQRコードを自分のスマホで読み込むことでオーダーが可能になります。スタッフが注文を取りに行く手間がないため、「なかなか注文を取りに来てもらえない」といった不満も減らせます。
また、注文業務がなくなることで、スタッフの教育や採用にかかるコストも削減可能です。
業務の効率化とコスト削減の両方を実現できるのが『スマセル』の強みです。
多言語対応でインバウンド対策にも有効
『スマセル』は、ボタンひとつで外国語メニューに切り替えることができます。英語や中国語、韓国語など様々な言語に対応しているので、訪日観光客が多いエリアの店舗でも、安心して注文できます。
また、外国語に対応できるスタッフを採用したり、教育したりする必要がないため、人材確保のコストを削減できるのもメリットです。
観光地の飲食店では「外国人のお客様が増えても対応しきれない」という悩みを持つ店舗が多いですが、『スマセル』を導入することで解決できます。
万全のサポートで小規模飲食店への導入・運用をバックアップ
『スマセル』は、QRコード注文とタブレット注文の両方に対応しているので、店舗のスタイルに合わせて導入できます。
専用端末を購入する必要がなく、iPadやAndroidのタブレットがあればそのまま使えるため、初期費用を抑えられるのも特徴です。
また、卓上スペースを取らずに設置できるので、小規模な店舗でも導入しやすくなっています。紙のメニューを使わずに済むため、衛生面にも配慮でき、接触リスクを減らせます。
導入前には、店舗の規模や席数をヒアリングした上で最適なプランを提案するため、無理な営業は一切ありません。導入までの期間も最短1週間〜1ヶ月ほどとスピーディーで、環境に合わせた設定サポートも用意されています。
さらに、導入後は専用のヘルプデスクがあり、操作に困ったときやトラブルが発生した際にはすぐに相談できます。必要に応じて駆けつけサポートもあるので、安心して利用できます。
まとめ
モバイルオーダーシステムは、飲食店の業務を効率化し、人手不足の解消や売上アップにつながります。特に、小規模な店舗にとっては、少ない人数でスムーズに営業できるだけでなく、追加注文を促して客単価を上げる効果も期待できます。
また、注文の手間を省くだけでなく、外国語メニューへの切り替え機能の活用により、訪日外国人のお客様もスムーズに対応できます。
一方で、導入コストやシステムトラブルのリスクなど、気をつけるべき点もありますが、適切なシステムを選び、しっかりとしたサポート体制があるサービスを利用することで、安心して運用することが可能です。
『スマセル』なら、こんな飲食店におすすめ!
人手不足に悩んでいる店舗
インバウンド対応を強化したい店舗
初めてモバイルオーダーを導入する店舗
『スマセル』は、専用端末なしで導入できるため、小規模な店舗でも手軽に始められます。
また、導入後のサポートも充実しているため、「本当に使いこなせるか不安…」という方でも安心です。
「少ない人数でも、もっとスムーズに店舗を回したい」
「注文ミスを減らして、お客様の満足度を上げたい」
そのような課題を抱えている店舗様は、ぜひ『スマセル』の導入をご検討ください。