飲食店のキャッシュレス導入は何から?
優先順位とコストを解説

セルフオーダーシステム

経済産業省によれば、2024年の日本におけるキャッシュレス決済比率は「42.8%(決済額約141兆円)」に達し、政府が2025年までに掲げていた「4割程度」の目標を達成しました。

さらに、将来的には世界最高水準であるキャッシュレス決済比率80%の実現を目指しており、制度整備やインフラ環境の拡充が進められています。
参考:2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省

飲食店の現場ではキャッシュレス決済を求められる機会が今後も増えることが予測されるため、導入が急務となっています。

しかし、キャッシュレス決済には、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など複数の決済手段があり、それぞれで導入コストや手数料、端末の種類、入金サイクルが異なります。

そのため、店舗の業態や客層、オペレーション体制に応じて最適なシステムを選定することが不可欠です。自店舗に最適なキャッシュレス環境を整えるためにも、各決済手段の特徴と店舗に合う仕組みを確認しておきましょう。

飲食店向けキャッシュレス決済の主な種類と特徴


飲食店で導入されるキャッシュレス決済には、代表的なものとして以下の3種類があります。

  • クレジットカード
  • 電子マネー
  • QRコード・スマホ決済

それぞれの特徴や導入時のポイントを詳しく見ていきましょう。

クレジットカード

飲食店のキャッシュレス決済で最も一般的なのが、クレジットカード決済です。

顧客の利便性が高いだけでなく、「会計時の接触削減」「つり銭ミス防止」「売上データの自動集計」など、店舗運営の効率化にも大きく寄与します。クレジットカード決済では、売上代金がカード会社を通じて入金されるため、現金管理の手間が減り、防犯面でも安心です。

一方で、手数料(一般的に3〜5%前後)が発生し、入金まで数日〜数週間のタイムラグがある点は理解しておく必要があります。

近年は、POSレジやQRオーダーシステムと連携し、伝票番号との自動照合や日次売上の自動反映が可能になっています。これにより、レジ締め作業の短縮やミス防止が実現できるほか、会計データをもとにしたメニュー別売上分析も容易になります。

また、タッチ決済対応端末の導入により、非接触でスピーディーな会計を提供できる点も、混雑時の回転率向上に効果的です。業態や客層に応じて、「どのブランドを優先的に対応するか」「レジとの連携方式をどうするか」を検討するとよいでしょう。

電子マネー

電子マネー決済とは、現金の代わりに電子データで支払いを行う方式です。

顧客はスマートフォンや専用カードを決済端末にかざすだけで取引が完了するため、スピーディーかつ非接触で安全に支払いができます。代表的な電子マネーサービスには、Suica、PASMO、iD、QUICPay、楽天Edyなどがあります。

これらはもともと交通機関やコンビニでの利用が中心でしたが、近年では飲食店でも急速に普及しています。特にSuicaやPASMOのような交通系ICカードは利用者数が多く、通勤・通学途中の顧客が気軽に立ち寄る店舗では相性が良い決済方法です。

電子マネーの利点は、決済のスピードとトラブルの少なさにあります。小額決済が多いカフェやテイクアウト店では、現金のやり取りをなくすことで会計時間を短縮でき、ピーク時の回転率向上にもつながります。

また、クレジットカードのようにカード会社による立替払いを経由しないため、決済から入金までのサイクルが比較的短い場合もあります。

ただし、複数ブランドを扱う場合には、それぞれの契約や端末設定が必要になることがあります。近年では、交通系ICとiD・QUICPayなどを一括で処理できる「オールインワン端末」も登場しており、管理の手間を減らすにはこうした一体型端末を選ぶのが効果的です。

QRコード・スマホ決済

QRコード・スマホ決済は、二次元バーコードを利用して支払いを行うキャッシュレス方式です。

スマートフォンさえあれば決済ができるため、特に若年層や訪日外国人の間で利用率が高まっています。

この方式には、主に次の2つの形があります。

  • 顧客が店舗の提示するQRコードを専用アプリで読み取り、支払金額を入力する方式
  • 顧客のアプリに表示されたQRコードやバーコードを、店舗側の端末で読み取る方式

どちらも簡単な操作で完結し、サインや暗証番号の入力が不要なため、会計処理をスムーズに進められます。

代表的なサービスには、PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYなどがあります。これらはスマートフォンアプリを通じて利用でき、クレジットカードや銀行口座と連携して決済が行われます。

また、QRコード決済はアプリ内でポイント還元やクーポン配信を行う機能を持つものが多く、店舗の販促施策と連携しやすい点も魅力です。低コストで導入できるうえにリピーターを強化できるため、飲食店経営における費用対効果の高いキャッシュレス手段といえるでしょう。

飲食店のキャッシュレス導入は何が優先?


キャッシュレス導入では、店舗の客層・規模・立地によって最適な順番が異なります。

飲食店が無理なく導入を進められるよう、基本的な流れと、優先して整えるべき決済手段をわかりやすく整理します。

まず導入すべき「クレカ+電子マネー」

キャッシュレス決済の中でも、まず整えておきたいのがクレジットカードと電子マネーです。

経済産業省の調査(2024年)によると、国内キャッシュレス決済の構成比はクレジットカードが82.9%(約116.9兆円)となっています。つまり、クレジットカード決済に対応するだけで、全体の8割以上の利用ニーズを網羅できる計算です。
参考:2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省

また、電子マネーの中でも特に交通系ICカードは、日常生活に深く根付いた決済手段として、着実に普及を続けています。JR東日本の発表によると、交通系ICカードは2013年3月23日に全国相互利用サービスを開始し、現在では全国約200万店で利用可能となっています。

利用件数も2013年7月の約1億件から、2024年7月には3億件規模に増加しており、右肩上がりで拡大しています。
参考:交通系電子マネーの月間ご利用件数が3億件を突破しました!|東日本旅客鉄道株式会社

もともと交通系ICは、駅を利用する人が運賃支払い・定期券として使うケースが中心でしたが、最近では駅ナカ店舗やカフェ、ファストフードなどでも支払いに使う人が増えています。通勤・通学のついでに立ち寄る層にとって、交通系ICが使える店舗は気軽に入れる安心感を与えます。

ランチタイムなど短時間での会計が多い店舗では、決済時間の短縮による回転率向上にもつながります。

若い客層が多い店舗はQRコード+スマホ決済

近年、スマートフォンを使ったQRコード決済は、若年層を中心に急速に広がっています。

株式会社アイリッジの「スマホ決済に関する調査」(2025年)によると、若年層ほどクレジットカードよりもQR・バーコード決済を利用する傾向が明確に見られます。
参考:スマホ決済利用実態調査|株式会社アイリッジ

また、QR・バーコード決済の利用比率では、1位がPayPay(約46%),、2位が楽天ペイ(約22%)、 3位がd払い(約10%)で、上位3サービスで全体の90%以上を占めています。この結果からも分かるように、20〜30代を中心とした来店客を抱える店舗では、QRコードやスマホ決済への対応が欠かせません。

特にカフェ、スイーツ専門店、居酒屋などでは、スマホだけで支払いを済ませたいというニーズが強く、キャッシュレス対応の有無が再来店の判断基準になることもあります。

また、QRコード決済は導入コストが低く、タブレットやスマートフォンがあればすぐに始められる手軽さも特徴です。専用端末が不要なケースも多く、初期費用を抑えたい個人経営の店舗にも最適です。

また、インバウンド客への対応力も高く、中国のAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)、韓国のKakao Pay(カカオペイ)など、海外主要サービスに対応することで、訪日外国人が安心して利用できる店舗として選ばれやすくなります。
スマセル

キャッシュレス導入時のコスト・手数料の目安


キャッシュレス決済の導入には、初期費用・月額費用・決済手数料といったランニングコストがかかります。

ここでは、導入を検討する際に必ず押さえておきたい費用の相場と内訳をわかりやすく解説します。

決済手数料の相場は3〜5%

キャッシュレス決済で発生する最も基本的なコストが「決済手数料」です。

加盟店が決済会社へ支払う手数料は、売上金額の一定割合で算出され、おおむね3〜5%が相場とされています。

手数料率は、決済方法や契約プランによって変動します。

  • クレジットカード決済:1.98〜3.5%前後
  • 電子マネー(Suica・iD・QUICPayなど):1.98〜3.25%前後
  • QRコード・スマホ決済(PayPay・楽天ペイなど):2.0〜3.0%前後

一見すると「3%の手数料=利益の圧迫」と感じるかもしれませんが、現金管理の人件費・釣銭準備・レジ誤差などのリスクを考慮すると、実質的なコスト削減につながるケースが多いのが実情です。

さらに、キャッシュレス化により会計時間が短縮されることで、回転率向上や残業削減といった間接的な利益も見込めます。

契約の際は、以下の3点を事前に確認しておくと安心です。

  • 決済手段ごとの手数料率(カード・QR・電子マネーで異なる)
  • 売上入金のタイミング(即日、週1回、月1回など)
  • 売上の入金先銀行にかかる振込手数料の有無

これらを把握しておくことで、月次コストの見通しを立てやすくなります。

また、複数の決済代行会社の見積もりを比較し、実質手取り率(入金額/売上額)を基準に選ぶのがおすすめです。

手数料以外にかかる初期費用と月額費用

キャッシュレス決済を導入する際は、決済手数料のほかに初期費用や月額費用が必要になります。主な内訳は、決済端末・スマートフォン(またはタブレット)・プリンターの3つです。

決済端末の費用はタイプによって異なります。
端末代は約4万円くらいのものからあり、決済代行会社を通じて購入するのが一般的です。ただし、会社によっては端末代が0円になるキャンペーンを実施している場合もあります。

また、決済会社によっては、スマートフォンやタブレットが必要です。既に対応端末を持っていれば追加費用はかかりませんが、非対応機種を使用している場合は新規購入が必要になります。また、クレジット控えなどを印刷したい場合は、レシートプリンターの購入も検討しましょう。

これらの初期投資に加え、通信費やシステム利用料などの月額費用が発生します。一般的には1,000〜3,000円前後で、プランによっては月額無料のものもあります。

飲食店向けキャッシュレス端末の種類と選び方


キャッシュレス決済を導入する際には、店舗の規模や業態に合った端末を選ぶことが大切です。飲食店で多く採用されている以下の4つの端末タイプを紹介します。

  • CAT端末
  • mPOS端末
  • オールインワンAndroid端末
  • POS一体型・連携型

CAT端末

CAT端末は、日本語では信用照会端末と呼ばれます。

クレジットカードに記録された磁気情報やICチップ情報を読み取り、オンラインでカード会社に照会を行う仕組みを持っています。照会により、カードの有効性や利用限度額が即時に確認されるため、不正利用によるトラブルを未然に防ぐことができます。

また、CAT端末は通信回線を利用して決済を行い、レシートをその場で印字できる機能を備えています。このため、信頼性が高く決済スピードも安定していることから、多くの飲食店や小売店で採用されています。

特に、レジカウンターでの会計が中心の店舗や、クレジットカード利用が多い中規模以上の店舗に向いています。

mPOS端末

mPOS(エムポス)とは、「mobile Point of Sales(モバイル・ポイント・オブ・セール)」の略で、スマートフォンやタブレットをPOSレジのハードウェアとして利用するタイプのPOSシステムを指します。

販売時点情報管理の機能をモバイル端末に実装できるサービスであり、従来の大型POSシステムに比べて、低コストで簡単に導入できる点が大きな特徴です。専用アプリをインストールし、カードリーダーと連携するだけで、クレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス決済がすぐに始められます。
mPOSは設置場所を選ばず、通信環境さえあればどこでも決済が可能です。

レジスペースを取らず、現場のオペレーションを軽くできることから、初めてキャッシュレスに対応したい事業者や、小規模店舗・移動販売を運営する店舗にとって導入しやすい選択肢といえるでしょう。

オールインワン決済端末

オールインワン決済端末とは、クレジットカード・QRコード・電子マネーなど多様な決済手法に対応し、レシートプリンターを内蔵した周辺機器不要のキャッシュレス決済端末を指します。

従来のCAT端末ではクレジットカード決済しか対応できず、レシートプリンターは別途購入が必要でした。

しかし、オールインワン決済端末では複数の支払い方法と印刷機能を1台に集約しており、キャッシュレス導入に必要な機能がすべて備わっています。操作はタッチパネル方式で直感的な操作ができ、スマートフォンのように扱いやすいのも特徴です。

また、ソフトウェア更新によって新しい決済ブランドや機能を追加できるため、将来性にも優れています。このような点から、オールインワン端末は多様な客層に対応したいカフェやレストランなどの飲食店で特に導入が進んでいます。

POS一体型・連携型

POS一体型・連携型の決済システムは、売上管理とキャッシュレス決済を一括で処理できる仕組みです。

POSレジと決済端末が直接つながっているため、注文・会計・売上集計が自動で連携され、会計業務を大幅に効率化できます。手入力による金額の誤りや、現金の過不足といった問題を防ぎ、売上データを正確に管理できます。

さらに、決済データがリアルタイムでPOSに反映されるため、店舗運営の可視化や経営分析にも役立ちます。POS一体型は、複数店舗を運営している飲食チェーンや、データをもとに経営改善を行いたい店舗に特に向いています。

また、クラウド型POSと連携すれば、本部やオーナーが離れた場所からでも売上・在庫状況を確認できるため、管理コストの削減にもつながります。

POSとの連携で会計業務を効率化するスマセル


キャッシュレス決済を効果的に活用するには、「決済だけを便利にする」だけでなく、店舗全体の業務とどうつなげるかを考えることが大切です。

例えば、単に支払い方法としてキャッシュレスを追加しただけでは、レジ業務・注文処理・売上管理がそれぞれバラバラに動き、スタッフの手間が減らないどころか、入力や確認作業が増えてしまうケースもあります。

一方で、POSレジやオーダーシステムとキャッシュレス決済を連携し、「注文→会計→売上集計」までを自動でつなげることができるため、ミスが減り、会計や締め作業のスピードも格段に上がります。
複雑になりがちな注文・会計・集計を連携し、キャッシュレスを売上管理の武器に変えるのがスマセルです。

スマセルは、注文から決済、売上集計までを自動化できるQRオーダーシステムです。お客様がテーブル上のQRコードを読み取るだけで、自身のスマートフォンから注文を完了でき、オーダー情報は自動的にPOSレジへ反映されます。

スタッフのレジ入力や会計処理の手間を減らせることで、注文ミスや待ち時間の削減、レジ締め業務の効率化を同時に実現します。さらに、リアルタイムで売上データを可視化できるため、店舗運営の分析・改善にも役立ちます。

このように、レジ業務が自動化されることで、フロアスタッフの稼働時間も最適化できます。注文処理や会計対応に追われる時間が減る分、お客様対応やバッシング(片付け)など、本来の接客品質を高める業務に時間を割くことが可能になります。

まとめ

飲食店でキャッシュレスを導入する際は、まずクレジットカードと交通系ICカードの対応から始めるのが現実的です。

利用者数が多く、信頼性が高いため、最も効果的にキャッシュレス化を進められます。次のステップとして、若年層が多い店舗ではQRコード決済やスマホ決済を取り入れることで、より幅広い客層に対応できます。

また、端末の種類も多様化しており、CAT端末・mPOS端末・オールインワン端末・POS連携型など、店舗の規模や営業スタイルに合わせて選べるようになっています。特に、POSとキャッシュレスが連携できるスマセルを導入すれば、注文内容・会計金額・決済データがすべて自動で同期されるため、レジでの金額入力やオーダーの照合作業が不要になります。

まずは、自店の客層と導入目的を整理し、最も効果的な方法で導入を進めていきましょう。

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